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起業するには何が必要?失敗しないための立ち上げステップと必須知識
働き方
2024.07.16
働き方が多様化する昨今、起業は多くの人にとって夢のひとつでしょう。しかし、その夢を実現するためには、しっかりとした準備と計画が必要です。
そこで今回は、起業を成功に導くための基本的なステップと、失敗を避けるために押さえておくべき知識を解説します。
目次
起業するには何が必要?準備したい7つの項目
まずは、事業計画の作成から法的な手続きまで、成功するためのステップを具体的に紹介します。これから起業を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
起業したい理由や目的を考える
自分がなぜ起業したいのか、その目的や理由を明確にしましょう。
思い付きだけではモチベーションが続かない可能性もあります。自問自答しながら、起業後の姿を具体的にイメージしましょう。
また、起業のメリットを具体的に考えることも重要です。好きな分野で働ける、自由な判断で事業を進められるといった一般的なメリットが、自分にも当てはまるかを検討しましょう。
起業して自分の時間を作りたいと考えても、実際には激務になることもあります。他人の意見に流されず、「なぜ自分が起業をしたいのか」をしっかり考えましょう。
起業のアイデアをまとめる
どのようなビジネスアイデアを実現するかを明確にすることも重要です。
たとえば、自分が興味を持ち、得意とする分野でのビジネスは、長期的なモチベーションを保ちやすくなります。そのため、趣味や専門知識を生かせる分野で起業を検討する方が多いです。
自分のアイデアが市場でどのように受け入れられるかを確認するために、市場調査も行いましょう。競合他社の分析やターゲット市場のニーズの把握は非常に重要です。
主婦起業でおすすめの職種は以下の記事で詳しくご紹介していますので、参考にしてください。
起業の形態や手段を決める
起業するには法人として会社を設立する方法と、個人事業主として事業を始める方法があります。自分のビジネスに適した方法を選び、必要な手続きを踏みましょう。
個人事業主と法人の大きな違いは課税される税金の種類であり、利益が同じでも納める税金の額が変わります。そのため、売上や経費、利益から自分の給与額を入力し、税金のシミュレーションをしてみるのがおすすめです。
シミュレーションにより、個人事業主と法人でどれくらい税金に差があるかを把握し、起業スタイルを検討する際の参考にできます。
なお、個人事業主として開業する場合、開業届を税務署に提出するだけで手続きは完了です。
事業計画書を作成する
次に事業計画書を作成しましょう。事業計画書とは、起業家がビジネスの全体像を明確にし、成功に向けての具体的な戦略を示すための重要な文書です。
この計画書は、創業の準備段階から開業後の経営に至るまでの一連の流れを把握するために作成されます。
事業計画書を作成する際に考えるべきは、「起業して何をするか」です。扱う商品やサービス、その特徴や価格などを決めます。
自分の好きなことや強み、得意なこと、社会のニーズを整理して、どのような事業を行いたいのかを明確にしましょう。
資金を集める
起業形態が決まったら、必要な資金を確保しましょう。ビジネスにどれくらいのコストがかかるのかを把握することが重要です。起業資金は「設備資金」と「運転資金」に分かれます。
設備資金 | オフィスや店舗の敷金・礼金、内装費、家具、固定電話、インターネット回線 |
運転資金 | 家賃、光熱費、仕入れ代、外注費、通信費、広告宣伝費 |
設備資金と運転資金をわけて考えることで、必要な費用を明確にできます。起業初期は安定した売上が見込めないため、運転資金は3か月分程度確保しておくと良いでしょう。
さらに、自己資金にゆとりを持ってスタートすることが大切です。資金計画が順調に進まない場合に備え、日本政策金融公庫の創業融資制度などを利用して、外部からの資金調達も検討しましょう。
最近では、銀行融資やベンチャーキャピタルなどから資金を調達する方法以外にも、クラウドファンディングやファクタリングなどもメジャーになってきました。
いずれにしても外部資金には返済義務があります。返済で経営が圧迫されないように、必要資金の3割以上は自己資金で用意しておくと安心です。
開業や法人設立に必要な手続きをする
日本で設立できる主な会社形態は、「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」の4種類です。それぞれの会社形態を決めたら、以下の手続きを進めましょう。
- 会社の概要を決める
- 法人用の実印を作成する
- 定款を作成して認証を受ける
- 出資金(資本金)を払う
- 登記申請書類を作成して法務局で申請する
- 法務局での審査後、登記が完了となる
これらの手続きを丁寧に行うことで、会社設立をスムーズに進められます。
事業をスタートする
手続きを完了し、無事に開業したら本格的にビジネスがスタートします。最初に立てた事業計画書に基づいて、商品やサービスを提供していきましょう。
事業を継続していくためには、顧客を獲得したり、必要に応じて従業員を増やしたりする必要があります。事業開始後もさまざまな工夫をしながら経営を進めていくことが大切です。
起業するときに最低限必要な知識とスキル
ビジネスを始めるためには、起業に関するノウハウや財務知識、マーケティングなど幅広いスキルが求められます。
ここでは、起業家が身につけるべき最低限の知識とスキルについて掘り下げます。
専門的なノウハウ
起業する際は、選んだ業界や業種の専門知識が不可欠です。なぜなら、業界のニーズや顧客の要望を理解せずに、成功する商品やサービスを提供することは難しいためです。
自身の興味や関心がある分野を選び、継続的に学び、業界内で競争力を高めていくことが成功の鍵となります。
お金の知識
財務管理や資金調達の知識が不足していると、事業の成長や運営の持続性に影響を及ぼすかもしれません。
適切な資金計画や予算管理ができなければ、突発的に資金が必要となった場合にに対処できないこともあります。
また、投資や資金調達の機会を見逃すことで、成長の機会を逃してしまう可能性もあるでしょう。起業家は常に財務状況を把握し、リスク管理を行うことが求められます。
マーケティング能力
適切なマーケティング戦略を立てなければ、顧客や市場との接点が不足し、競争力を維持するのは難しいでしょう。
マーケティングとは、商品やサービスを顧客に販売するための活動全般を指し、近年では、Webマーケティングスキルがますます重要視されています。
インターネットを活用した広告やSNSを通じたプロモーションは、顧客とのダイレクトなやり取りを促進し、ブランドの認知度向上に寄与します。
起業するときに必要なマインド
起業を成功させるためには、特定のマインドセットが不可欠です。マインドセットとは個人が持つ特定の心の状態や態度のことで、その人の考え方や信念、価値観、行動パターンに大きな影響を与えます。
特に起業家にとっては、強い使命感やプラス思考、成功への姿勢や挑戦を受け入れる強い気持ちなどが求められます。
ここでは起業する際に持っておくべきマインドをお伝えします。ご自身に当てはまっているかどうか、ぜひチェックしてみてください。
強い使命感
起業家として成功するためには、強い使命感が不可欠です。自らのビジョンや目標に向かって情熱を持ち、それを実現するための情熱を持ち続けることが重要です。
たとえば、「社会的な問題を解決するためのビジネスを展開する」などのように、自分の事業が社会にどのような意義があるかを考え、それに貢献するという強い気持ちを持ちましょう。
プラス思考
困難や挫折があっても、前向きに課題を克服しようとする姿勢が成功への道を切り開きます。そのため、失敗しても学びとして捉え、次に活かせるプラス思考が求められます。
起業は常に挑戦と変化の連続であり、計画通りに事が進むことは稀です。冷静な判断力は必要ですが、否定的な考えに固執すると前進が阻害されます。
困難な状況に直面したときこそ、ポジティブなアプローチで解決策を見つける能力が求められるのです。
忍耐力と行動力
ビジネスの世界では、挑戦や困難が日常茶飯事です。そのような状況下でも、諦めずに前進するためには強い精神力が求められます。
また、途中で挫折することなく目標に向かってコツコツと努力を重ねる忍耐力も重要です。
さらに、良いアイデアをただ考えるだけでなく、即座に実行に移す行動力も成功には欠かせません。ビジネスは競争の激しい世界であり、迅速な行動が事業展開の成功に直結します。
自己管理能力
長期的な事業成功のためには、健康やメンタルなどの自己管理能力が最重要事項です。
身体的な健康が損なわれ、疲労やストレスが溜まれば、仕事の効率性が低下し判断力も低下するでしょう。
また、メンタルの不調で、モチベーションや情熱も失われる可能性があります。身体やメンタルの不調は、結果として業績にも影響を与えてしまいます。
起業するメリットとデメリット
起業には多くの魅力がありますが、同時に注意すべきリスクも存在します。
新たなビジネスを始めることで自由なスケジュールや自己実現を叶えられる一方、事業に関する責任を負わなければならないリスクもあります。
ここでは起業のメリットとデメリットを紹介します。起業するメリットとデメリットを事前に把握しておくことで心づもりができるでしょう。
起業のメリット
メリットのひとつとして、自分のやりたいことを自由に実現できる点があげられます。また、成功すれば今よりも高い収入が得られる可能性もあります。
さらに、定年がなく自分のペースで働き続けられるのも魅力です。特に女性の場合は、家庭や子育てと両立しながら、自分のペースで働ける柔軟性も大きなメリットといえるでしょう。
女性起業家向けの助成金や支援プログラムが存在し、活用できる機会が増えているので、インターネットや市区町村のコミュニティなどを活用した情報収集がおすすめです。
起業のデメリット
失敗するリスクが存在し、収入が保障されない点が起業のデメリットのひとつです。
また、お金や社会保障に関する手続きなど、自分でしなければならないことが多くなります。開業に必要な資金調達や、税金対策、社会保険手続きなどです。
さらに、自分の力で0から信頼関係を構築していかなければなりません。会社員として働いている場合、会社のブランドや上司の人脈が営業に大きな影響を与えます。
しかし、起業家はそのような外部の支援を得られず、自身で関係を構築する必要があります。
起業後に失敗しないためのポイント
ビジネス全体に共通するポイントを理解し、実行することが長期的な成長につながります。
続いては、起業後に成功するための具体的なポイントを見ていきます。
健全な資金計画
健全な資金計画を立てることは、起業成功の基盤です。起業初期の資金調達だけでなく、事業の成長や運営資金の確保を見据えた計画が必要です。そのため、定期的な予算の見直しや、市場変動への柔軟な対応が求められます。
もし、資金計画が甘く、予期せぬ経費増加や市場の変化に対応できないと、資金不足に陥り事業の持続が危ぶまれます。
世の中の変化に柔軟に対応する
事業環境は常に変化します。迅速かつ柔軟に市場のニーズや競争の動向に対応する能力が、成功につながります。
常に顧客のフィードバックを受け入れ、革新的なアプローチを取り入れることで、競争力を維持しましょう。
いつまでも同じ事業展開や顧客アプローチを続けていると、市場の変化に後れを取り、競合他社に取り残されるかもれません。
情報収集を怠らない
業界のトレンドや競合の動向を常に把握し、市場の機会やリスクを見極めることが必要です。最新の情報を取り入れ、的確な経営判断を行い、事業の持続可能性を高めましょう。
世の中のトレンド、特に自社の業界の最新情報について後れを取ってしまうと、誤った戦略を立ててしまい、市場での競争力を失うおそれがあります。
経費をかけすぎない
効率的な資金運用は、事業の成功に直結します。なぜなら、経費の無駄遣いが資金不足を招き、事業の持続性に影響を及ぼす可能性があるからです。
そのため、必要な投資と無駄な経費を見極め、適切にコスト管理を行いましょう。
一人で悩まず相談する
社会からの孤立を避けるためにも、一人で抱え込まず、信頼できるメンターや専門家とのネットワークを築きましょう。
客観的な意見や助言を受けたり、経験豊富なアドバイザーからの助言や支援を受けたりすることで、的確な意思決定が行え、事業の成功に近づけるでしょう。
起業に関するよくある質問
最後に、起業を目指す方々がよく抱く疑問に答えました。
起業に関する基本的な知識や情報を身につけ、自信を持って新たな一歩を踏み出しましょう。
起業したいけどアイデアがない女性や主婦におすすめなのは?
起業に興味はあるけれど、具体的なアイデアが思いつかないという女性や主婦の方々におすすめなのは、起業支援を行っているスクールやオンライン相談会に参加することです。
これらのサービスを利用することは、専門家からアドバイスを受けたり、他の起業家と交流したりして、新しいアイデアを見つける助けとなります。
独立するうえで必要なスキル、たとえばブランディングや集客方法、経営を学ぶことも可能です。
起業するにはまず何から始めればいい?
起業を考えたら、まず「何をするか」をはっきりさせることが重要です。起業自体を目的にすると、長期的な成功は難しくなります。
起業はスタートラインであり、具体的なビジネスプランが必要です。ビジネスプランが決まったら、実現のためのスケジュールや収益化の計画も立てておきましょう。これにより、事業が順調に進むようになります。
起業するには最低いくら必要?
法律上は、資本金が1円でも会社を設立することはできますが、実際の運営や信用のためには、もう少し多めに用意するのが安心です。
事業運営や、銀行からの信用を考えると、100万円くらいの資本金があると良いと言われています。資本金が多いと、会社の信頼性が高まりやすく、取引先や金融機関からの信頼も得やすくなります。
起業する際には、最初にどれくらいの資本金を用意するか、しっかりと検討しましょう。
夢を叶える一歩を踏み出そう
起業や独立には資金の準備や書類の作成など、やるべきことが多岐にわたります。
事業を継続させるためには、明確な目的や計画、資金やスケジュールの管理が欠かせません。
起業を検討していて、サポートがほしいと感じている方、事業拡大に向けたサービスを探している方には、起業前から起業後のマーケティングまでワンストップでサポートしてくれるスクールに通うのもおすすめです。
一度きりの人生です。一人で悩みや不安を抱えず、夢を叶える一歩を踏み出しましょう。