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女性が感じる「負担ばかり」の原因とは?不平等な家事・育児の改善策

2024.10.29

「家事も育児も自分ばかり負担がかかっている」と感じる女性は少なくありません。その不平等さが、女性の心身に大きな影響を与えているケースもあるほどです。

夫婦で共働きをしている家庭でも、家事や育児の大半を女性が担っている現状が多く見られ、時間的・精神的な負担が女性に偏りがちです。

この記事では、なぜこのような不均衡が生まれるのか、どのように改善していけるのか、具体的な原因と解決策を探っていきます。

家事や子育ての負担に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

女性が「負担ばかり」と感じる主な原因

女性が「負担ばかり」と感じる背景には、さまざまな要因が絡んでいます。

まずは、女性が負担を感じる具体的な理由を見ていきます。自分に該当するものがないか、ぜひチェックしてみてください。

社会的な性別役割が根強い

日本では未だに社会的な性別役割が根強く残っていると言わざるを得ません。

多くの家庭では、女性が家事や育児の中心的な役割を担い、男性は主に仕事に専念するという状況が続いています。

この性別役割の固定観念は、結婚や出産後の家庭環境にも影響を与え、女性がフルタイム勤務やキャリア形成を難しくする原因の一つです。

共働き夫婦においても、家事や育児の負担が女性に偏りがちで、男女平等の実現にはまだ課題が多い現実があります。

家事・育児の分担が偏っている

家事や育児の分担が偏っている現状は、日本の多くの家庭で見られる問題です。

共働き世帯でも働く女性が掃除や料理、洗濯などの家事を多く担当するケースが多く、男性の参加が不足しています。

調査によると家事や育児における男女の分担割合は依然として不平等な状態が続いています。

家事・育児の見えない負担がある

家事や育児には、実際の作業以上に「見えない負担」が存在します。特に母親が家庭全体の管理や子どものスケジュール、買い物リストの作成など、細かな調整や計画を一手に引き受けることが多く、これが大きなストレスとなるおそれも。

一見「当たり前」として認識されがちな負担ですが、女性が抱える責任は家庭や職場など多岐にわたります。

理想の家事水準が高すぎる

家事に対する理想の水準が高すぎる点も、家事負担を増加させる要因です。

特に女性が「完璧な家事」を目指すあまり、過度な時間や労力を費やしてしまうと、女性への負担の大きさはさらに跳ね上がるでしょう。

掃除や洗濯、料理に至るまで時短や手抜きができる場面でも高い基準を維持しようとした結果、精神的なプレッシャーを感じやすくなるのです。

当たり前と思われ誰にも感謝されない

家事や育児が「当たり前」として扱われ、誰にも感謝されないという不満を感じる女性は少なくありません。

特に、専業主婦や働くママが行う家事は、家庭を機能させるために必要な活動でありながら、見過ごされがちです。夫婦間での家事や育児の分担が不平等な場合、この不満はさらに強くなるでしょう。

そのため、家族全員が家事や育児の大切さを理解し、お互いを尊重し感謝の言葉を伝えることがより良い家庭環境を築くために重要です。

共働き夫婦の家事分担の比率とは?

共働き家庭が増える一方で、家事分担の不平等さは依然として課題となっています。

内閣府男女共同参画局の作成した「男女共同参画白書 令和5年版」の調査によると、令和3年における6歳未満の子供を持つ妻・夫の家事分担の割合は、妻が無業(専業主婦)の場合は家事関連時間の84.0%を妻が担当していますが、有業(共働き)の場合も77.4%を妻が担当しています。

その差はわずか6.6%しかなく、妻が働いている家庭と専業主婦の家庭で家事分担への意識は大きく変わっていないようです。

参考:男女共同参画白書 令和5年版|内閣府男女共同参画局

また、「家事」、「介護・看護」、「育児」、「買い物」を合計した家事関連時間についての調査でも、令和3年では専業主婦世帯で妻が週平均567時間に対して、夫が108時間、共働き世帯では妻が391時間に対し、夫が114時間という結果が出ています。

家事などにかける時間は共働き世帯では減っているものの、男女で家事を担当する時間には大きな差があることがうかがえます。

内閣府によると「長期的には妻の家事関連時間の分担割合は減っている」とされていますが、近年になっても男女の家事の分担は、平等と言えるほどには進んでいないのが現実です。共働きの世帯でも、その意識は大きく変わっていません。

こういった状況で、負担が大きいと感じる女性が多いのは無理もありません。一度夫婦で働き方や家事に対する認識を共有し、役割分担を見直すことも考えてみましょう。

共働き夫婦の男性の言い分とは?

共働き家庭が増える中で、家事や育児の分担はよく話題になります。

特に男性は、「もっと協力したい」という気持ちがありながらも、仕事や家庭内の役割に対してジレンマを感じているケースが少なくありません。

共働き夫婦の男性は、どのような理由や背景で家事・育児の分担に消極的になるのでしょうか?

続いては、既婚男性の言い分を掘り下げ、家族全員が協力できる環境を探っていきます。

何をやればよいのか分からない

多くの男性は、家事や育児に参加しようとしても「何をやればよいのか分からない」と感じることが少なくありません。

特に共働き家庭では、男性が家事に関与する割合が増えているものの具体的な役割分担が曖昧なケースが多く、女性に頼りがちになる点が指摘されています。このため、家庭内での家事の分担を明確にし、男性が積極的に関わる環境を整えることが必要です。

家事を手伝うと細かく指摘される

家事に参加する男性が直面する問題の一つに、「手伝おうとすると細かく指摘される」「文句を言われるくらいならやらない方がマシ」と考えているケースもあります。

女性が家事に対して高い水準を求めて細かい部分まで気にかけるため、男性が行った家事に対して不満が生じやすいのでしょう。

その結果、男性は家事を敬遠しがちになり、さらに不平等な状況が続きます。夫婦間でお互いのやり方や基準を尊重し、家事経験の少なさには目をつむることも時には必要かもしれません。

仕事が忙しくて疲れている

長時間勤務や残業が多い状況では、家事や育児の分担に余裕を持つことができず、女性に負担が偏る事態に陥ります。特に、仕事が終わった後に家事や育児をこなすのは体力的にも精神的にも大きなストレスとなりがちです。

時短やフレックス制度の活用、職場環境の見直しなど、仕事と家庭を両立できる仕組みが必要です。これは夫婦の問題ではなく、日本の労働環境が抱える問題です。

不平等な家事・育児分担が女性に与える影響

続いては、不平等な家事・育児の分担が女性にどのような影響を与えているのかついて考えていきます。

特に、精神的ストレスやキャリアへの影響は深刻です。しっかりおさえておきましょう。

参考:第7回全国家庭動向調査|国立社会保障・人口問題研究所

心身の疲労が蓄積しやすい

共働きの女性は、仕事と家事・育児の両方をこなす中で心身の疲労が蓄積しやすくなります。

特に日本では、専業主婦の時代から続く「家計を支えるのが男性、家事は女性の役割」という意識が残っており、共働き家庭でも女性に多くの負担がかかる状況が続いています。

この負担は、すでにお伝えしたとおり、洗濯や料理、掃除といった日常的な作業に加え、育児や家族全体の管理にも及びます。

こうした多重の負担が、女性の健康や生活に大きな影響を与える原因となっているのです。

自己肯定感が低下する

家事や育児に追われる中で、女性の自己肯定感が低下する方もいます。

家事や育児は「当たり前」として扱われがちであり、仕事との両立に奮闘しても感謝される機会が少なく、自身の努力が認められにくいためです。

特に共働き夫婦において、家事や育児の分担が不平等である場合には自分のしていることに疑問がわいたとしても不思議ではありません。

自分の役割に対する評価がないと感じることで自己肯定感が低下し、精神的ストレスが増加してしまうのです。

キャリア成長が妨げられる

家事や育児の負担が、キャリアの妨げになると感じている女性も少なくありません。

特に日本では、フルタイム勤務を続けながら家庭内の役割分担が偏るケースが多く、時間やエネルギーが不足し、仕事に集中できない状況が生じます。

結果として、昇進や自己成長の機会を逃すことがあり、長期的なキャリア形成に影響を与えてしまうのです。このような現状を打破するためには、企業や社会全体での柔軟な働き方の導入やサポートが必要不可欠です。

夫婦関係に不満や摩擦が生じやすい

家事や育児の負担が不平等であると、夫婦関係に不満や摩擦が生じやすくなります。

共働き家庭では男性が仕事を理由に家事や育児に参加しないケースが多く、女性が一方的に多くの責任を担う状況に不満を感じることが少なくありません。

このような状況が続くと夫婦間のコミュニケーションが不足し、互いの役割分担に対する理解が進まないまま、関係が悪化する危険性もあります。

女性が「負担ばかり」と感じないための改善策とは?

家事育児のもたらす不平等さを放置するのではなく、具体的な改善策に動きましょう。

ここでは、女性が負担を感じずに済むための具体的な方法について見ていきます。夫婦や家族全体が快適に生活するためにも、ぜひ参考にしてください。

家事・育児のタスクを見える化する

家事や育児の負担を軽減するためには、まずそのタスクを「見える化」しましょう。

多くの場合、女性が無意識に家事をこなしているため、男性や家族がどの程度の仕事があるのか把握していないことが問題です。

洗濯や掃除、子どもの世話といったタスクをリスト化することで、家庭内での役割分担が明確になり、誰が何を担当するのかを理解しやすくなります。この作業は共働き夫婦にとって、平等な分担への第一歩です。

家事分担のルールを家庭内で話し合う

家事や育児の分担を円滑に進めるためには、家庭内でルールをしっかりと話し合いましょう。

特に共働きの夫婦では、家事や育児の負担を平等にするための具体的な役割分担を決めることが不可欠です。

たとえば、次のようなルールを話し合ってみてはいかがでしょうか。

  • 掃除は週に何回誰が行うか
  • 買い物はどちらが担当するか
  • 子どもの送り迎えの曜日は決められるか

このようなルールを話し合うことで、家族全員が協力できる環境が整うでしょう。

男性も育児休業を取得する 

男性も育児休暇を取得すれば、その間男性も育児や家事に集中することができ、女性の負担を軽減することができるでしょう。

厚生労働省の発表した「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」によると、厚労省が調査を行った企業のうち、男性育休等取得率は46.2%、男性の育休等平均取得日数は46.5日となっており、約半数の男性が配偶者の出産時に育休を取得しています。

参考:若年層における育児休業等取得に対する意識調査|厚労省

企業の育休制度を活用して男性が育児に積極的に関与すれば、共働き家庭における負担の平等化が進むでしょう。

また、父親の育児参加は、子どもの成長にも良い影響を与えることが期待されます。

子どもにも家事を手伝わせる

家事や育児の負担を軽減する一つの方法として、子どもにも家事を手伝わせることがあげられます。共働きの家庭だけでなくすべての家庭において、家事を家族全員で共有する習慣を身につけるために有効です。

洗濯や掃除、片付けなど年齢に応じた簡単なタスクを子どもに割り当てれば、家族全体の協力が生まれ、家庭の機能が向上します。

また、子ども自身も責任感を学び、家族の一員としての役割を理解する良い教育機会になるでしょう。

外部サービスを活用する

忙しい共働き夫婦にとって、家事や育児を外部サービスに依頼することも効果的な解決策です。

たとえば、次のようなサービスがおすすめです。

  • 家事代行サービス
  • 時短家電
  • ベビーシッター

これらを活用すれば、家事の負担を大幅に軽減できます。特に洗濯や掃除、料理など、日々の時間を奪うタスクを専門業者に任せることで、夫婦はその時間を仕事や家庭の大切な時間に充てられます。

現代の日本社会では、このような外部サービスの活用が、共働き世帯において重要な役割を果たしているのです。

家族の時間を優先できる働き方を考える

家事や育児にかかる負担を軽減するためには、家族全員がゆったりと過ごせる時間を確保できる働き方の見直しが必要です。

たとえば、フレックスタイムやリモートワーク、時短勤務を選ぶ方法がありますが、これらの制度は企業に左右される場合も多く、自分でコントロールできないケースも多いでしょう。そこで、起業という選択肢も視野に入れると、働き方の自由度が格段に上がります。

働く時間や場所、仕事内容を自分で決めることができ、家族のライフスタイルにあわせた柔軟な働き方が実現できるからです。

家族との時間を大切にしながら、自分自身のキャリアも大きく発展させる可能性がある点が起業の大きなメリットです。

AGOセラピストスクール」では、AGOメソッドとマーケティングを学び、お金と時間と心にゆとりができる働き方を手に入れている女性が続出しています。短い稼働時間で収入を安定させられるので、家族との時間を優先させたい主婦も人気セラピストとしてキャリアを築いています。

まとめ

女性が感じる家事・育児の負担は、不平等な役割分担や家庭内での理解不足が原因です。

この不均衡を改善するためには、家事の見える化や分担ルールの話し合い、男性の育児参加、そして外部サービスの活用が効果的です。

まずは、家族全員が協力し、互いを尊重し合う環境を整えましょう。一人で抱え込まず、家族全体での協力が不平等な家事・育児の問題を解決する鍵となります。