「しゃくれ」や「顎が出ている」といった悩みを抱えている方は多いものの、改善方法がわからず、日常生活や見た目への影響に困っている方も少なくありません。
顎が出る原因は、遺伝や日常生活の癖、骨格の成長バランスなど多岐にわたります。
この記事では、顎が出る原因を徹底解説するとともに、自分でできる対策や専門家による治療法についても紹介します。
顎にコンプレックスがある方は、ぜひ参考にしてください。
顎が出ているのを自分で治すのは難しい?
顎が出ている状態、いわゆる「下顎前突」や「しゃくれた顎」と呼ばれる症状は、日常生活にさまざまな影響を与える可能性があります。
この状態は反対咬合(はんたいこうごう)による噛み合わせの問題や見た目の悩みに加え、顎関節症や咀嚼機能の低下といった症状を引き起こすことも少なくありません。
まずは、顎が出ている原因や改善方法についてみていきましょう。
噛むことで顎の筋肉を鍛える
顎の筋肉を鍛えることは、軽度の噛み合わせ問題や顎関節症の予防に役立ちます。硬い食べ物を噛むことで筋肉を動かし、顎周りの血流改善が期待されます。
ガムやグミを噛むことも顎の筋肉を鍛えるトレーニングとして知られていますが、無理に硬すぎるものを噛むと歯や顎に過度な負担がかかり、症状が悪化するおそれがあります。
適度な噛む力を意識しながら、毎日の食事で顎の筋肉を鍛えることを習慣化するとよいでしょう。
噛む動作を取り入れることは、セルフケアの一環として試してみる価値があります。
ただし、片噛みなど、顎がずれる原因として考えられる「噛み癖」に注意する必要がりますので、以下の記事で解説しているメカニズムや改善方法を参考にしてください。
ストレッチで顎周りの筋肉をほぐす
顎周りの筋肉を柔らかくすることで、緊張や違和感を軽減できる場合があります。顎関節症の予防や軽度の症状緩和には、日常的にストレッチがおすすめです。
たとえば、口をゆっくり開け閉めする動作を繰り返したり、顎を左右に動かして筋肉をほぐしたりするトレーニングがあげられます。
ストレッチはセルフケアとして簡単に取り組めるため、日常生活に取り入れることで顎の状態を改善する助けとなるでしょう。
ただし、痛みがある場合は無理をせず、専門家に相談してください。
舌を正しい位置に置く
舌の正しい位置を意識することは、顎のバランスを整えるうえで重要なポイントです。
舌を上顎の内側に軽く当てる理想の舌の位置は、歯並びや顎骨の成長によい影響を与えます。特に、無意識のうちに舌を下顎側に押しつけてしまう癖がある場合、反対咬合や顎前突が悪化する原因になり得ます。
日常的に舌の位置を意識し、噛み合わせや骨格バランスを整えることがセルフケアとしておすすめです。
舌の位置は、健康や美容に大きな影響を与えます。以下の記事では、舌の正しい位置の重要性と直し方について解説しています。
舌を使ったトレーニングを行う
舌を使ったトレーニングは、顎や口周りの筋肉を鍛えるための効果的な方法です。
たとえば、舌を上顎に押しつけたり、前後に動かしたりする簡単な運動を日常的に行うことで、顎関節の動きの改善が期待できます。
また、子どもの頃から舌の筋肉を意識して動かすことで、歯列や噛み合わせの予防にもつながります。ただし、強い力で舌を動かすと痛みや違和感が生じる場合があるため、無理なく行うことが大切です。
以下の記事では、理想の小顔を目指せる舌回しエクササイズの基本的なポイントやリスクについて解説しています。
正しい姿勢を意識する
姿勢の悪さは、顎の位置や噛み合わせに直接影響を与えるケースがあります。
特に、頬杖をつく習慣やスマホを長時間見ることで顎が前方に出る「前方位姿勢(いわゆる猫背)」が日常化している方は注意です。骨格や筋肉のバランスが乱れ、顎関節症や見た目の悩みを引き起こします。
正しい姿勢を保つためには背筋を伸ばし、首を自然なラインに保つことを心がけましょう。
日常的に姿勢を意識すれば顎や骨格の状態が改善され、さらなる悪化を予防することができます。
睡眠中の歯ぎしり・食いしばりを防ぐ
睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは顎関節や歯に大きな負担をかけ、顎が出る状態を悪化させやすいです。これを防ぐには、マウスピースの装着がおすすめです。矯正歯科や歯医者に相談し、適切なマウスピースを選びましょう。
また、就寝前にリラックスできる環境を整えたり、ストレスを軽減する習慣を取り入れたりすることも重要です。
特に、無意識に歯を食いしばる癖を放置すると、顎関節症や歯の摩耗が進行する可能性があるため早めの対策が必要です。
口呼吸を鼻呼吸に変える
口呼吸は、顎や口腔内の筋肉のバランスを崩し、反対咬合や歯列の悪化につながる可能性があります。
鼻呼吸を習慣づければ、口周りの筋肉を正しい状態に保つことが期待できます。
日中に意識的に口を閉じる練習をしたり、寝る際に鼻呼吸を促す専用テープを使用するのも効果が見込めるのでおすすめです。ただし、鼻づまりが原因の場合は、適切な治療を受けましょう。
顎が出る原因とは?
顎が出る原因は一つではなく遺伝的な要素や成長期の骨格バランス、日常的な癖などさまざまな要因が絡み合っています。これらの原因を正しく理解することは、適切な対策や治療を選ぶうえで非常に重要です。
ここでは、顎が出る主な原因を解説します。自分の状態を見極めるためにもぜひチェックしましょう。
遺伝的要因
家族の中に下顎前突や反対咬合の症状を持つ人がいる場合、骨格や顎の形状が似る傾向があります。
遺伝的要因による顎の成長は成長期の段階で目立つことが多く、大人になってからも矯正や外科手術が必要になるケースが多いようです。
しかし、適切な時期に歯科医師や矯正歯科を訪れ、骨格や歯並びの状態を診断してもらえば、早期の治療計画を立てることが可能です。
骨格成長のアンバランス
骨格の成長がアンバランスになると、顎の位置や形状に影響を与えるおそれがあります。
具体的には、上顎の成長が不十分で下顎が前方に突出する場合や、下顎が過剰に成長してしまうケースがあげられます。このような成長バランスの乱れは、子どもの頃からの癖や日常生活の影響が関与しているケースもないとはいいきれません。
成長期に専門的な治療を受けることで改善できる可能性が高いため、早期の診断が重要です。
日常の癖
日常生活での癖が顎の成長や骨格のバランスを崩す原因になることがあります。具体的には次の習慣があげられます。
- 頬杖をつく
- 口呼吸をする
- 片側だけで噛む
これらの癖を放置すれば歯並びや噛み合わせが悪化し、顎関節症や顎前突を引き起こす危険性があります。
日常の癖を改善するためには自分の無意識の行動を見直し、正しい姿勢や生活習慣を取り入れましょう。
大人になってから「顎が出てきた」と感じる方は、下顎前突(かがくぜんとつ)や受け口といった歯並びや骨格の問題が関係している可能性があります。
顎が出ていることで起こるリスク
顎が出ている状態は、見た目の問題だけでなく、健康面にも多くのリスクをもたらす可能性があります。
続いては、顎が出ていることでどのようなリスクが生じるのかを具体的にみていきます。
顎関節症のリスクが高まる
顎が出ている状態を放置すると顎関節に過度な負担がかかり、顎関節症を引き起こす可能性があります。
顎関節症の主な症状としては、顎の痛みや開口時の違和感、顎の動きが制限されるなどがあげられます。
また、顎関節症が悪化すると、頭痛や肩こりといった全身への影響も現れるケースもあるため、矯正治療や適切なセルフケアを行い、顎関節への負担を軽減しましょう。
特に、軽度の症状のうちに対策を講じることがリスクを最小限に抑える鍵です。
肩こりや頭痛を引き起こす
顎の位置がずれると首や肩の筋肉に負担がかかりやすくなり、肩こりや頭痛を引き起こす原因となります。
特に、噛み合わせのズレが原因で首の筋肉が緊張し、血行不良が生じることが多いです。これらの症状は長時間続くと日常生活にも悪影響を及ぼすため、適切な治療を受けましょう。
歯に負担がかかりやすい
顎が出ている状態では噛み合わせが悪くなりやすく、歯に過剰な負担がかかります。この状態を放置すると奥歯や前歯に過度の圧力が加わり、歯の摩耗や虫歯、歯周病を引き起こすリスクが高まります。
さらに、噛み合わせがずれることで歯列全体のバランスが崩れ、矯正治療が必要になるケースも少なくありません。
歯への負担を軽減するためには早期に専門的な診断を受け、適切な治療方法を検討してください。
咀嚼(そしゃく)機能が低下しやすい
顎が出ていることで噛み合わせが正常でない場合、咀嚼機能が低下しやすくなります。
結果的に食べ物を十分に噛むことが難しくなるため、消化不良や胃腸への負担も引き起こしかねません。
また、咀嚼回数が減ると唾液の分泌が不足し、口腔内の健康状態が悪化する可能性もあります。
咀嚼機能を改善するためには、矯正治療や噛み合わせの調整がおすすめです。理想的な噛み合わせは、健康的な食事や生活を取り戻す鍵です。
発音が不明瞭になりやすい
顎が出ていると、舌や唇の位置がずれやすく、特定の発音が不明瞭になることがあります。
特に「サ行」や「タ行」の発音で違和感を覚えるケースが多く、日常生活やコミュニケーションに支障をきたすことがあります。
発音に影響が出ている場合は矯正歯科や言語療法士に相談し、適切な治療法を選択することが重要です。顎の状態が改善すれば舌や口の動きがスムーズになり、発音のクリアさも取り戻せます。
顎が出ているのを自分で治すために知っておきたいポイント
「顎が出ているのを自分で治せるのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、セルフケアには限界があります。しかし、自分の努力次第で一定の改善が期待できる軽度のケースも存在します。
ここからは、セルフケアで注意すべきポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
セルフケアの限界を理解する
軽度の症状であれば、舌や筋肉のトレーニング、正しい姿勢の維持で一定の改善が期待できるかもしれません。
しかし、顎が出ている原因が複合的かつ構造的な場合、素人判断での自己流ケアでは根本改善は困難です。むしろ誤った力のかけ方や、特定の筋肉だけを集中的に緩める行為は、顎関節への負担増大や噛み合わせバランスのさらなる乱れを招く可能性があります。
セルフケアはあくまで補助的な手段であり、問題が深刻な場合は限界があることを理解することが大切です。
専門家への相談が重要
顎突出を本質的に改善するには、原因を的確に見極め、全身バランスから整えることが必要です。
たとえば、全身からのアプローチを採用するセラピストなら、足先から頭蓋骨までを丁寧にチェックし、顎関節や筋膜、骨格配置の乱れを修正することで、持続的な変化を目指します。
専門家に相談することで、自分の顎突出が骨格によるものなのか、筋肉バランスなのか、噛み合わせなのかを明らかにし、最適なプランを立てられます。結果として、自己流では得られない満足度の高い改善が期待できるでしょう。
顎が出ているのを専門家で治す方法
顎が出ている状態を根本的に改善するためには、専門家の力が不可欠です。外科手術や歯列矯正など、さまざまな治療方法があります。
ここでは、各治療法の特徴やメリットなど、専門家によるアプローチについて詳しく説明します。適切な方法を選ぶためにも、ぜひチェックしてください。
外科手術
外科手術は顎骨そのものを切削・再構成することで物理的な顎の突出を抑える方法です。骨自体が大きく、顎が正面や側面から明らかに突き出しているケースでは有効な手段となります。
ただし、手術はダウンタイムも長く、費用や身体的負担も大きい点がデメリットです。
さらに、骨を削っても全身の姿勢バランスや筋肉機能を無視すれば、咬み合わせに微妙なズレが生じる場合もあります。そのため、本当に骨格の問題か、姿勢や筋肉バランスの乱れが原因なのかを専門医が見極めることが重要です。
外科手術はあくまで最終手段であり、慎重な判断が求められます。
歯列矯正
歯列矯正は顎の突出感を咬み合わせ調整で改善するアプローチです。歯並びを整えることで、噛み合わせバランスを正し、結果的に顎の位置を後退・安定させることが期待できます。
ただし、矯正は時間と費用がかかり、1~2年またはそれ以上通院する必要があることも珍しくありません。
また、歯列矯正単体では顎関節周囲の筋力バランスや全身姿勢を十分に改善できないケースもあり、期待通りの結果にならない場合もあります。
もし噛み合わせの不調が顎の突出に深く関わっているならば、専門家と相談のうえ、矯正治療のほかに姿勢改善や顎関節ケアを組み合わせると、より効果的な結果が得られます。
小顔矯正
小顔矯正は、全身のバランスを整えることで顎の突出を相対的に改善する方法です。
「小顔整顔専門サロン AGO TOKYO SALON」での施術は、力任せではなく呼吸や筋膜連結を利用して骨格配置を整える手法です。骨そのものを削らずとも顎の位置を正しやすく、身体が自然に適正なポジションへ戻るよう導きます。
顎の突出が姿勢不良や筋バランスの乱れに起因する場合、全身から整える小顔矯正は効果的です。施術自体が痛みを伴わず、年齢や性別を問わず安心して受けやすい点も大きな魅力です。
外科手術や長期の歯列矯正よりも負担が軽く、根本原因にアプローチすることで、持続的な改善を目指せるのが特徴といえます。
顎が出ていることに関するよくある質問
顎が出ている悩みに関しては、さまざまな疑問や不安が寄せられます。
「セルフケアで改善できるのか」「手術や矯正はどのくらい時間がかかるのか」といった質問に加え、ネット上で話題になる方法の真偽についても気になる方が多いでしょう。
最後に、顎が出ていることに関するよくある質問を取り上げ、分かりやすく回答します。正しい情報を得て、悩みの解消に活用してください。
まとめ
「しゃくれ」や「受け口」などの顎が出ている状態は、見た目だけでなく健康面にもさまざまなリスクをもたらします。
噛み合わせの問題により食べ物をしっかり噛むことが難しくなるほか、顎関節症を引き起こしたり、発音や呼吸に影響を及ぼしたりするリスクもあります。
また、外見的な悩みが自信喪失や心理的なストレスにつながることも少なくありません。
顎周りの筋肉をほぐすマッサージやストレッチなど、一定の効果が期待できる方法もありますが、一時的な緩和策に過ぎないため専門的な治療がおすすめです。
治療を受ける際は信頼できる医療機関や専門家に相談し、治療計画を立てながら正しいケアを行いましょう。