歯並びの悪さは顔全体の印象に影響を与えるため、自分に自信が持てなくなり、笑顔になることや会話することを避ける人も少なくありません。自己肯定感が低下し、社会生活に支障が出ることもあるでしょう。
また、不正咬合の状態は、見た目の問題だけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。
この記事では、歯並びによるさまざまな影響とリスク、および対処法を解説します。
歯並びのコンプレックスで笑えない人の特徴
歯並びのコンプレックスで笑えない、歯を見せたくないといった悩みを抱える人は珍しくありません。
相手の目線が気になったり、口元を隠したりすることが増え、日常生活に影響が出ることもあるでしょう。
ここでは、歯並びのコンプレックスで笑えない人の特徴を解説します。
うつむきがち
口元を見られたくないといった理由から、うつむきがちになる人もいるでしょう。うつむくことで周囲から口元は見えにくくなりますが、自信がなく暗い印象を与えてしまうかもしれません。
また、うつむくことによって頭部が前屈した状態が続くと、以下のようなリスクを引き起こすおそれがあります。
- 無意識に上下の歯が接触し、歯や顎に負担がかかる
- 猫背や巻き肩の姿勢になりやすく、口が開いて口呼吸が誘発され、歯並びの悪化、虫歯や歯周病、口臭の原因になる
歯並びと姿勢は密接に関係しています。歯並びを改善することで、姿勢も整うでしょう。
相手の目を見て会話ができない
会話する際、相手に歯並びが見えていないか不安になり、相手の目を見て会話ができない人もいるでしょう。
しかし、相手から視線をそらすことで態度や言動が不自然になり、悪い印象を与えてしまう可能性があります。
目を見て会話することは、相手に興味や好感を持っていることが伝わります。
歯並びを改善することで自分に自信が持てるようになり、相手をまっすぐ見てコミュニケーションが取れるでしょう。
歯列矯正の治療期間は長いため、歯並びが整うまでは以下の方法で対策しましょう。
- 相手の鼻やおでこ、喉の辺りを見る
- 視線を外す際は左右ではなく上下に外す
笑うときに口を手で隠す
歯並びが悪いと、笑うときにスマイルラインがきれいに出なかったり、口角に左右差が生じたりすることがあります。そのため、口元に自信が持てず、笑うときに口を手で隠すことが習慣になっている人も少なくありません。
しかし、相手によっては隠している手が気になり、余計に口元に注目を集める可能性があります。
歯列矯正によって理想の歯並びを手に入れることで、口元を隠さず自然に笑うことができるでしょう。
笑い方一つで印象は大きく変わるものです。笑うときに歯並びが整っていると、笑顔が明るく清潔感を感じられるでしょう。
笑顔が不自然になる
「歯並びが悪いから笑顔に自信がない」
「できるだけ歯が見えないように笑いたい」
会話や写真撮影などを行う際、このように歯並びが気になって口元に力が入ったり、顎にシワができたりすることで、不自然な笑顔になる人もいるでしょう。
不自然な笑顔は、社会生活におけるさまざまな場面で悪影響を及ぼす可能性があります。
歯列矯正を行うことで歯並びの改善とともに口元や顔の歪みが解消され、自分に自信を持てるようになります。
食後のチェックが欠かせない
歯並びが悪いと、食べかすが歯と歯の間に挟まりやすくなるため、食後に歯をチェックすることが習慣化している人も少なくありません。
鏡で確認することが難しい状況では、歯に挟まりにくい食べ物や、目立ちにくい色の食べ物を選ぶ人もいるでしょう。
職場環境などによってこのような状態が続くと、栄養バランスが偏り、健康に影響を及ぼす可能性があります。
マスクを常に手放せない
口元を隠すために、マスクの着用が日常化している人もいるでしょう。
感染症や花粉症が流行している時期にはマスクの着用が有効ですが、常にマスクを着用することで以下の問題が生じる可能性があります。
口呼吸になりやすく、舌の位置が下がるため、舌の圧力で歯が前方に動き、歯並びが悪化する可能性がある。また、口腔内が乾燥するため、口臭の発生、虫歯や歯周病のリスクが高まる。
表情筋を使う機会が減少し、歯並びの悪化やしわ、たるみの原因になることがある。
口呼吸や舌癖がある場合、歯列矯正で歯並びを整えても、後戻りを引き起こす可能性が高くなります。
歯並びが悪いことによる影響は?
歯並びの悪さが原因で、日常生活においてさまざまな悩みや問題が生じます。
見た目や対人関係、全身の健康にまで影響を及ぼす可能性があるため、歯列矯正治療を受け、歯並びを整えたほうがよいでしょう。
ここでは、歯並びが悪いことで起こり得る問題を解説します。
自己肯定感が下がりやすい
歯並びは顔全体の印象に大きな影響を与えます。歯並びが悪いと自信が持てなくなり、自分自身をネガティブに評価する傾向があります。
このような自己肯定感の低下は「仕事や学校へ行きたくない」「誰とも話したくない」といった考えにつながることもあります。
特に、子どもの頃に自己肯定感が低下すると、その影響が成長後、人格形成や社会生活に及ぶ可能性があります。
人との接触を避けるようになる
人は会話をする際、相手の口元を見て話していることを視覚的に判別しようとするため、ほぼ確実に歯並びを見られることになります。そのため、歯並びのコンプレックスがある場合、人と触れ合うことに対して消極的になるでしょう。
また、歯並びによっては滑舌が悪くなったり、口臭が発生しやすくなったりするため、周囲の人からどう思われているか不安になる人も少なくありません。
精神的ストレスから人とのコミュニケーションを避けるようになると、社会生活に影響が出る可能性があります。
写真を撮られるのが苦手になる
歯並びが悪いと、自分の顔を見ることが嫌になり、自分の姿を写真に残したくない人もいます。写真撮影の際、笑顔を求められることを苦痛に感じ、写真に写ることを避けたことがある人もいるでしょう。
撮影時は、歯が見えることを気にしてぎこちない表情になる傾向があります。写真に写った不自然な笑顔の自分を見て、さらに自分に自信がなくなる人も少なくありません。
集合写真や証明写真など、生活するうえで写真撮影を避けることは困難です。
第一印象が悪化する
第一印象は、視覚情報である見た目が大きな要素を占めるといわれています。初対面では、顔の印象から内面をイメージする人も少なくありません。
歯並びのコンプレックスが原因で俯きがちになったり、会話の際に相手の目を見なかったりすると「暗い」「感じが悪い」と思われ、第一印象が悪化してしまう可能性があります。
また、歯並びが悪いことで「清潔感が感じられない」と思われることもあるかもしれません。
顔貌が変化する
不正咬合があると、顔全体のバランスに大きな影響を及ぼし、以下の理由から顔貌が変化することがあります。
物を噛む際、顔全体に加わる力が不均等になるため、顎の骨格の歪みを生じることがあります。特に、下顎が前に出る受け口の歯並びは、顎関節に負担がかかるため、下顎が左右どちらかに傾くおそれがあります。
唇の位置や形は歯に沿って変化します。特に、出っ歯や受け口の歯並びは、口を閉じる際に唇が前に出るため、唇が分厚く見えてしまうことがあります。
発音が不明瞭になりやすい
出っ歯(上顎前突)やすきっ歯(空隙歯列)などの歯並びは、歯と歯の隙間から音が抜けるため、発音が不明瞭になることがあります。
自分では普通に話しているつもりでも、うまく話せず、何回も聞き返された経験がある人もいるでしょう。滑舌の悪さがコンプレックスとなって自信を失い、会話することを避ける人も少なくありません。
虫歯や歯周病のリスク
歯並びが悪いと、以下の理由から虫歯や歯周病のリスクが高まります。
歯並びが悪いと歯ブラシがしっかり届かず、歯垢がたまりやすくなります。特に、歯が重なっている部分や歯と歯肉の境目は歯垢がたまりやすいため、虫歯や歯周病が重症化する可能性があります。
歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなるため、一部の歯に偏って力が加わり、歯周組織に負担がかかります。その結果、炎症が起こって歯周病のリスクが高まります。
歯を失う原因のほとんどは、虫歯と歯周病です。歯の健康を守るためにも、歯並びの改善を検討しましょう。
胃や腸への負担が大きくなる
歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなるため、食べ物をしっかり噛み砕くことが難しくなります。食べ物を細かくせずに胃や腸に運ばれると、消化器官に負担がかかり、消化不良や胃もたれを引き起こすおそれがあります。
また、咀嚼回数が少ないため唾液の分泌が減少し、唾液による消化作用が不十分になるでしょう。
歯列矯正によって歯並びや噛み合わせを整えることで、片側に偏って噛む癖が直るため、歯全体を使って食べ物をしっかり噛めるようになります。
その結果、食べ物を細かくかみ砕いたり、唾液の分泌が増えて食べ物の消化が促されたりするため、胃腸の負担を軽減できるでしょう。
全身の不調の原因になる
歯並びや噛み合わせが悪いと、以下のように全身の健康に影響が出る可能性があります。
- 歯磨きがしにくいため、虫歯、歯周病になりやすい
- 口呼吸によって姿勢が悪くなる
- 奥歯の機能が低下し、歯全体を使ってバランスよく噛むことが難しく、歯や顎、胃腸に負担がかかる
- 姿勢の悪さや顎の不調が原因で、肩こり、頭痛、腰痛など痛みが生じる
歯列矯正によって歯並びや噛み合わせを整えることは、見た目の問題を解消するだけでなく、全身の不調の改善につながります。
コンプレックスになりやすい不正咬合の種類
不正咬合の種類によっては、口元が膨らんで見えたり、顔が面長に見えたりするため、コンプレックスになる人も少なくありません。
また、発音が不明瞭になりやすい歯並びの場合は、滑舌の悪さが悩みになることもあるでしょう。
ここでは、コンプレックスになりやすい不正咬合の種類を解説します。
出っ歯
出っ歯は、前歯が前に出ていることで口元が膨らんで見えることがあります。そのため、出っ歯にコンプレックスを抱え、歯列矯正を希望する人も少なくありません。
また、出っ歯は、口が開きやすく口呼吸になりやすいため、口周りの筋力低下やたるみを引き起こす可能性があります。
歯列矯正によって出っ歯が改善されると、口元の膨らみが解消し、Eラインが整うため美しい横顔になるとともに小顔効果も期待できます。
また、口が閉じやすくなるため、口呼吸も改善されます。口周りの筋肉が適切に使われることで、顔全体のバランスが整うでしょう。
すきっ歯
すきっ歯は、歯と歯の間に隙間がある状態のことであり、特に、前歯に隙間がある場合にコンプレックスを感じやすい不正咬合の一つです。
すきっ歯は、見た目の問題以外にも、発音が不明瞭になったり、虫歯や歯周病のリスクが高くなったりするなど、さまざまな問題が生じるため、治療したほうがよいでしょう。
すきっ歯は、歯列矯正のほかにも以下の治療法があります。
歯の表面に樹脂を接着して隙間を埋める治療法です。使用する素材や治療目的などによって保険適用となることがあり、費用を抑えることができます。
歯の表面にセラミックの薄い板を接着して、歯の形や色、隙間を整える治療法です。この方法により、自然な見た目を保持しながら、歯の審美性を向上させることができます。
歯にセラミック製の被せものを装着する治療法です。この方法により、歯の形や色を整え、自然な見た目を実現することができます。セラミックは陶器と同じ素材でできており、審美性に優れ、長期間にわたって美しい状態を保つことが可能です。
叢生
叢生は、歯と顎の大きさのアンバランスが原因で歯が重なり合っている歯並びのことで「乱ぐい歯」または「八重歯」とも呼ばれます。
叢生は、口元が前に出て膨らんで見えやすいことから、顔全体の印象に大きく影響します。
また、噛み合わせの悪さが原因で表情筋が適切に使われないため、しわやたるみができやすく、悩みを抱える人も少なくありません。
歯列矯正をすることで膨らんでいた口元が改善され、きれいなEラインが手に入るでしょう。また、表情筋をバランスよく使えるようになるため、顔の歪みの改善も期待できます。
開咬
開咬(オープンバイト)は、奥歯でしっかり噛んでいても、上下の前歯のあいだに空間が生じる歯並びのことです。口が閉じにくく、顔全体が面長に見えることがあるため、コンプレックスを抱える人もいるでしょう。
また、発音が不明瞭になったり、口呼吸になったりすることもあるため、社会生活や全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
歯列矯正によって前歯の噛み合わせが改善されると、口が閉じられるため、小顔効果が期待できます。また、正しく発音できるようになり、人との会話を避けることも少なくなるでしょう。
悪い歯並びの改善方法
歯並びの治療法には、以下の3種類があります。
- ワイヤー矯正
- マウスピース矯正
- セラミック矯正
ここでは、多くの人が選択するワイヤー矯正とマウスピース矯正、および併用することで効率的に治療を進められる小顔矯正を解説します。
治療法を選択する際は、適切な診療を受け、歯科医師とよく相談しましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯に取りつけたブラケット(矯正装置)にワイヤーを通して治療します。
【メリット】
- 適応症例が幅広い
- 確実な治療効果を得られやすい
【デメリット】
- 取り外し不可
- 装置が目立つ
- 金属アレルギーは不可
- 痛みを感じやすい
- 食事や歯磨きがしにくい
表側矯正は、歯の表側に装置をつけるため処置がしやすく、重度の歯列不正にも対応できます。
一方、裏側矯正は、歯の裏側に装置をつけるため見た目が目立ちにくく、ホワイトニングも同時に受けられます。
ただし、装置の調整が複雑であり、症状の程度によっては治療が難しいかもしれません。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを歯に装着して治療します。
なかでもインビザラインの治療は、ほかのマウスピース装置に比べて歯型採取が1回で済み、通院回数が少ないため患者の負担を軽減できます。
【メリット】
- 取り外し可能
- 透明で目立たない
- 金属アレルギーでも可能
- 痛みが少ない
【デメリット】
- 1日20時間以上の装着が必要
- 装着不足によって後戻りが起こる
- 装置を紛失するリスクがある
- 適応症例が限られる
マウスピース矯正は、歯の平行移動が苦手であり、複数の抜歯で歯の移動距離が大きい症例や、上下の顎の位置が左右前後にずれている症例などには不向きです。
小顔矯正の併用
歯列矯正治療をすることで、口元だけでなく顔全体のバランスが整ったように見えることもあるでしょう。しかし、歯列矯正によって骨格まで変化することはありません。
歯列矯正は、歯の位置を正しくする治療法であり、顎の歪みを直接的に考慮するものではありません。遺伝などによって骨格に問題がある症例の場合は、歯列矯正だけでは美しい歯並びを維持することが難しいケースもあるでしょう。
骨格に問題がある場合は、小顔矯正を併用することをおすすめします。歯並びの土台となる顎や顔の歪みが整えられるため、後戻りのリスクを軽減できるでしょう。
歯並びの矯正は歯科的な技術に頼る部分もありすが、顎の位置や頭蓋骨の歪み、首や肩の筋肉バランスといった要素も歯列に影響を及ぼします。「小顔整顔専門サロン AGO TOKYO SALON」では、全身の姿勢を整えつつ顎関節や頭蓋骨の歪みを優しく修正し、歯列の土台を安定させることを目指します。歯列矯正のみでは時間がかかったり、正中線が揃わないといった悩みを抱える方も、身体全体のアライメントを整えることで矯正の効果を高め、後戻りを防ぎやすくすることが可能です。
まとめ
歯並びのコンプレックスが原因で自信がなくなると、人前で表情や態度に出てしまい、社会生活に影響が出る可能性があります。
歯並びを整えることで自信を取り戻すことができ、自然な笑顔が増え、人と会話することに抵抗がなくなるでしょう。また、歯並びによる全身の不調の改善も期待できます。