受け口手術で失敗する原因は?顔の変化で後悔しない対処法

受け口手術で失敗する原因は?

受け口とは、下顎が上顎よりも前方に突出している歯並びや噛み合わせの異常で、「反対咬合」または「下顎前突」とも呼ばれます。

顎が前方に出やすいことから、見た目にコンプレックスを抱える人も少なくありません。重度の症例の場合、外科手術が必要となることがあり、手術にはリスクが伴います。

この記事では、受け口手術で失敗する原因と顔の変化で後悔しない対処法を解説します。

目次

受け口の外科手術における失敗事例

受け口の原因には、遺伝や歯が生える位置、骨格などがあります。

歯が生える位置に異常がある場合は、歯列矯正のみで改善できる可能性がありますが、骨格自体に問題がある場合は、顎の骨の手術を併用した外科矯正を行うことがあります。

ここでは、外科手術における失敗事例を理解しましょう。

喉を圧迫してしまう

受け口の外科手術は、下顎の骨を切断し、移動させて位置を調整することで、噛み合わせを改善します。

下顎を移動させる際、後方に下げ過ぎると喉が圧迫されることがあります。その結果、気道や食道が狭くなるトラブルにつながりかねません。

気道狭窄は呼吸がしにくくなるため、少しの動作で息苦しくなったり、風邪を引いた際に喘鳴や止まらない咳に悩まされたりする可能性があります。

食道狭窄は食べ物を飲み込みにくくなるため、食道を通過できなかった食べ物を吐き戻したり、誤嚥によって肺炎を引き起こしたりするリスクがあります。

口の中が狭くなる

外科手術の際、下顎を後方に下げ過ぎたことが原因で、舌が収まるスペースが不足し、口の中が狭くなる可能性があります。

狭い口の中では舌を正しく動かせないため、食べ物が噛みにくい、うまく言葉が話せないといった障害が生じる可能性があります。

また、舌の後ろにある気道も狭くなるため、睡眠時無呼吸症候群を引き起こすリスクも高まるでしょう。

口や鼻、肺へと続く空気の通り道が狭くなることで、睡眠中に何度も呼吸が止まり、熟睡できず、日中の眠気や集中力の低下などにつながるおそれがあります。

外科手術を検討する際は、気道への影響を考慮した歯科医師のもとで診療を受けることをおすすめします。

受け口の後戻り

外科手術によって下顎を後退させると、舌も後方に押されることになります。

口の中が狭くなるため、舌が収まるスペースが不足している場合、押された舌は前に戻ろうとするでしょう。その結果、舌の圧力によって下顎や歯が前方に押し出され、後戻りにつながるおそれがあるのです。

外科手術や歯列矯正で歯並びを整えても、舌で歯を前に押し出す舌癖がある場合、後戻りする確率は非常に高いといわれています。

また、舌癖によって歯と歯の間に隙間が生じ、滑舌が悪くなったり、口呼吸が誘発され口腔内が乾燥し、虫歯や歯周病のリスクが高まったりするでしょう。

噛み合わせの悪化

外科手術を行う際、見た目を重視した結果、以下のことが原因で噛み合わせが悪化することがあります。

  • 顎の移動が制限され、左右のバランスが崩れる
  • 移動させた顎の骨が筋肉などに引っ張られ、後戻りが起こることがある

受け口は、審美的な問題だけでなく、咀嚼や発音、顎や身体の歪みなど、健康面にもさまざまな影響を及ぼします。

しかし、見た目を改善するだけで、噛み合わせなどの機能面を考慮せずに手術を行う美容外科もあります。

外科矯正には、治療費と時間がかかるため「費用が安い」「治療期間が短い」といった案内に魅力を感じるかもしれませんが、医療機関を選択する際は十分注意しましょう。

輪郭の変化

外科手術では顎の骨を移動させるため、輪郭の変化とともに顔の印象も変化します。

術後は、顔全体の歪みが解消され、期待通りの変化に満足する人がいる一方で、以下のような予想外の変化により、治療を後悔する人も少なくありません。

  • 必要以上に骨を削ったことが原因で、輪郭が逆三角形になったり、凸凹が生じたりすることがある
  • 左右対称に施術できなかったことが原因で、輪郭に左右差が生じることがある

術後の輪郭の変化をシミュレーションできる歯科医院もあるため、カウンセリングの際に歯科医師に確認することをおすすめします。

受け口の外科手術が失敗する理由は?

受け口の外科手術は、下顎のみの手術と上下の顎の手術の2つに大きく分かれます。

上下の顎の手術が必要な症例にもかかわらず、下顎のみ手術を行い、治療効果が得られない事例も少なくありません。

ここでは、受け口の外科手術が失敗する理由を解説します。

下顎が極端に大きい

下顎が極端に大きい場合、外科手術の際に下顎を後方に移動させる距離が大きくなるため、上顎の手術も同時に行う必要があります。

下顎を大きく後方に下げた場合、喉を圧迫され、口内が狭くなるおそれがあるため、上顎を前方に移動させることで、下顎の移動距離を最小限に抑えることができます。

上下の顎の手術によって、気道や食道の狭窄、舌の障害、後戻りなどのリスクを回避できるでしょう。

外科手術の失敗を防ぐためには、歯科医師による正しい診断と適切な手術の方法で治療を進めることが大切です。

上顎が極端に小さい

下顎が極端に大きい場合と同様に、上顎が極端に小さい場合も、上下の顎を手術する必要があります。

小さい上顎を基準にして下顎を調整すると、口内が狭くなり、舌の動きが制限される可能性があります。

また、鼻の下部分の落ち込みや、前歯の露出といった見た目の問題が生じる可能性も否定できません。

小さい上顎を前方に移動させ、下顎を移動させる距離を小さくすることで、舌の動きへの影響が少なくなり、前歯の位置の変化によって口元のバランスが整います。

下顎のみの手術を提案された場合は、上顎の手術の必要性について確認することをおすすめします。

受け口の外科手術をするデメリット

受け口の外科手術を検討する際、手術のリスクや経済的な負担などに対し、不安や疑問を抱える人がほとんどでしょう。

どのような手術でも、身体的・精神的な負担を伴います。ここでは、受け口の外科手術におけるデメリットを解説します。

入院が必要

外科手術は、一般的に全身麻酔下で行われるため、症例や患者の状態によって3泊4日から2週間程度の入院が必要になることもあります。

全身麻酔後、めまいや吐き気、嘔吐、頭痛などの副作用が現れる可能性があり、呼吸や循環が安定するまでは安静にする必要があります。

仕事の調整や仕事を休むことによる収入減が問題で、外科手術に踏み切れない人は少なくありません。

しかし、受け口は全身の健康に悪影響を及ぼすため、長期的に見た場合、早めに治療したほうがよいでしょう。

顔の痛みや腫れ

手術中は麻酔が効いているため痛みを感じることはなく、口の中から切開するため、外側に傷跡が残る心配はありません。しかし、術後は傷が治癒する過程で痛みや腫れ、内出血を伴うことがあります。

痛みには個人差がありますが、術後1週間程度は特に感じやすく、鎮痛剤を服用することがほとんどです。

腫れは2週間程度続くことがあり、内出血によって顔にあざが出ることもあるため、見た目が気になる場合はマスクを着用しましょう。術後の感染予防にもなるため、おすすめです。

感染症にかかると痛みや腫れが長引くおそれがあり、重症化すると命にかかわることもあるため注意が必要です。

しびれや感覚麻痺

外科手術を行う際、触覚に関する神経が骨を切る部分の近くを走行しているため、術後は口元や顎の周辺にしびれや感覚麻痺が生じる可能性があります。

症状の回復には個人差がありますが、神経の麻痺は回復に時間を要し、経過観察になる場合が多く、即効性の治療法はありません。短くても1ヶ月程度、長くて1年程度続くこともあり、症状が残ることもあります。

症状が長引く場合は、リハビリをすることで機能の回復が期待できます。飲食や会話がうまくできず、日常生活に支障が出る場合は、診断書に記載してもらうことも検討しましょう。

ダウンタイム

ダウンタイムとは、手術後に痛みや腫れ、内出血などの症状が回復するまでの期間のことです。ダウンタイムには個人差がありますが、以下の経過をたどることが一般的です。

  • 術後1〜2週間程度:赤紫や青色になって目立つことがある
  • 術後1ヶ月前後:徐々に肌の色に近づき、黄色へと変化する
  • 術後3か月程度:腫れや痛みがほぼ完全になくなる

ただし、感染症を起こした場合、ダウンタイムが長引くおそれがあるため、術後の過ごし方が大切です。

通常の仕事や学業に戻すタイミングや、熱いものや辛いものといった刺激になる食べ物は避けるなど、歯科医師の指示に従いましょう。

身体的・精神的ストレス

受け口の外科手術は、顎の骨を切り、見た目の変化を伴うため、入念なシミュレーションを行っても恐怖や不安を抱くことがほとんどでしょう。

身体的・精神的ストレスによって不眠になることがあり、手術前に睡眠剤や精神安定剤が処方されることもあります。

手術を終えた後も、神経の麻痺やダウンタイムなどによって不安が続き、顔つきの変化に対する周囲の反応を心配する人もいるでしょう。

ストレスを軽減するためには、カウンセリングや通院の際、歯科医師と十分にコミュニケーションを取ることが重要です。

費用が高額になる

受け口の外科手術の多くは審美目的であるため、基本的に保険適用外となり、全額自己負担になります。

費用は手術内容や歯科医院によって異なりますが、100万~400万円程度が一般的です。リスクを伴ううえに高額なため、慎重に検討する人がほとんどでしょう。

指定された医療機関で顎変形症と診断された場合は、外科矯正における歯列矯正治療、抜歯および手術には健康保険が適用されます。

ただし、マウスピース矯正や裏側矯正といった審美的な矯正装置を使用する場合は保険適用外となるため、注意しましょう。

受け口の手術の失敗を減らす対処法

受け口の手術において失敗のリスクを軽減するためには、まずは信頼できる歯科医院を選択することが重要です。

手術を検討する際は、手術の失敗を軽減する対処法を理解しておきましょう。

口コミや過去の症例を確認する

歯科医院の選択において失敗を避けるためには、実際に治療を受けた人の口コミを参考にしてリサーチするとよいでしょう。

治療内容、スタッフの対応や雰囲気など具体的な内容を含む投稿を調べることで、自分に合った歯科医院が見つかる可能性があります。

成功例だけでなく、万が一トラブルが起きた際の対応やアフターフォロー体制についても確認し、総合的に信頼できるクリニックかどうかを見極めることが、手術の失敗を減らすうえで欠かせません。

適切なカウンセリングを受ける

初診のカウンセリングの際、症状、治療内容、メリットとデメリットなど、丁寧に説明してくれる歯科医師のもとで診療を受けましょう。

また、カウンセリングの際は、歯科医師と十分にコミュニケーションを取り、適切な信頼関係を築くことが重要です。

歯科医師の説明が不十分で納得できない場合、信頼関係を築くことは困難です。少しでも不安がある場合は、ほかの歯科医院を検討しましょう。

歯科医院のセカンドオピニオンも受ける

外科手術を決断することは簡単ではありません。「歯科医院に不安がある」「ほかの治療方法がないか知りたい」といった場合は、セカンドオピニオンを検討することも大切です。

複数の歯科医師の意見を聞くことは、症状や治療方法への理解を深めることにつながります。しっかりと納得したうえで決断できるため、失敗のリスクを軽減できるでしょう。

また、矯正治療や顎関節の調整を先行し、外科手術を最小限に抑えるケースもあるため、複数の医療機関の意見を比較することが、最終的な満足度と安全性につながります。

顎まわりに特化した小顔矯正も検討する

受け口の外科手術は、さまざまなリスクを伴い、高額な費用がかかるため、誰でも気軽に受けられる治療ではありません。

外科手術を決断する場合は、顎まわりに特化した小顔矯正を検討することも一つの手段です。顎まわりの骨格の歪みを整えることで、歯並びの土台となる顎が正常な位置に戻り、顔全体のバランスの改善が期待できます。

骨を切ることがないため、喉の圧迫や舌への影響、術後のダウンタイムなどの心配がなく、身体的・精神的な負担が抑えられるでしょう。

見た目の問題で悩みを抱えている人は、小顔矯正による根本的な歪みの改善を視野に入れることをおすすめします。

受け口手術を検討している方の中には、実は姿勢不良や顎関節周囲の筋バランスの乱れが原因で、顎が前に突き出して見えてしまうケースも少なくありません。外科的手術に踏み切る前に顎まわりの歪みを整えることで、受け口感を軽減できる可能性があります。「小顔整顔専門サロン AGO TOKYO SALON」では、顎関節や頭蓋骨の正しい配置をサポートする施術を行っており、身体への負担が少なくダウンタイムもありません。

受け口の外科手術に関するよくある質問

受け口を放置した場合のリスクについて知らない人もいるでしょう。また、受け口の症例によっては、外科手術をせずに治療できるケースもあります。

ここでは、受け口の外科手術に対する疑問を解説します。

受け口を治さないとどうなる?

受け口を放置した場合、以下のような問題が生じる可能性があります。

  • 噛み合わせが悪く、食事の際にしっかり物が噛めず、消化器官に負担がかかる
  • 一部の歯に負担がかかり、歯がすり減り、破折しやすくなる。
  • 口呼吸や、歯並びの悪化により歯磨きがしにくいことが原因で、虫歯や歯周病のリスクが高まる
  • 滑舌が悪くなる
  • 顎がしゃくれ、見た目に影響が出る

受け口は、6歳頃までに治療することで改善が期待できます。治療せずに骨格の成長を終え、永久歯に生え変わった場合、外科矯正が必要になるでしょう。

外科的な矯正手術が必要ない受け口は?

受け口の原因が歯並びの場合は、外科手術の必要はなく、歯列矯正治療で改善できます。

受け口の歯列矯正は、下顎の小臼歯を抜歯してスペースを確保し、下の前歯を後退させることで歯並びを整えます。前歯を大きく動かすことによって歯周組織に負担がかかり、歯根が短くなる歯根吸収を起こすリスクが高まるでしょう。

歯列矯正は、治療法によって適応症例が異なります。受け口が軽度の場合は、マウスピース矯正で治療できる可能性がありますが、重度の場合は歯を大きく移動させる必要があるため、ワイヤー矯正が適しています。

まとめ

受け口は見た目の問題だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼすことがあります。年齢とともに治療は難しくなるため、早期治療が大切です。

受け口が軽度の場合は、歯列矯正のみで改善が期待できますが、骨格自体に問題がある場合は、外科手術が必要になるでしょう。

外科手術におけるリスクと対処法を理解することで、治療に対する失敗や後悔を回避できます。

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この記事を書いた人

「小顔整顔専門サロン AGO TOKYO SALON」代表。オールハンドで美容整形級の変化をもたらすAGOメソッド®を開発。女性の経済的、時間的自由を実現するセラピストスクールは380名以上が受講。

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